近年、大手ハウスメーカーがZEH(ゼッチ)を掲げているところも多くなっているため、聞いたことがあるかもしれません。「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指そう」という国が掲げている目標です。
ZEHとは、『ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス』の略称で、「断熱性能の高い住宅を建てて、年間で使用する家庭の消費エネルギーを減らし、エネルギー収支を概ね0にしよう」というような感じの住宅です。なんだかよく分からないですね。
まず『断熱性能の高い住宅』ですが、これは住宅をつくる際に使用する断熱材やサッシの性能を高め、気密性も高めることで、外気の温度を通しづらくなる/室内の温度を逃がしづらくなることが出来ます。つまり「夏は涼しく、冬は暖かい」住宅になります。断熱性能の高い住宅は家全体の温度をほぼ一定に保つため、冷暖房に使うエネルギーが少量で済みます。また、高齢者の方を中心に冬場に脱衣所や風呂場での発生が多い、寒暖差によるヒートショックのリスクを低減させることが出来ます。
そして『年間で使用する家庭の消費エネルギーを減らし』は、簡単に言ってしまえば省エネのことです。高効率給湯器や省エネ性能の高いエアコン、LED照明等を使用し、年間で使用するエネルギー消費を抑えます。そのため、ZEHではない住宅よりも光熱費が安くなるのです。
最後に『エネルギー収支を概ね0にしよう』ですが、日中は太陽光発電等の再生可能エネルギーを利用して、家庭で発生する消費エネルギーを賄います。家庭での消費量を上回ったエネルギーは電力会社に売電をして収入を得たり、蓄電池にためておくことで停電時や災害時等に活用することが出来ます。
長期優良住宅と比べると建築コストは上がってしまいますが、長期的な目で見ればZEH住宅は健康面や経済面でメリットがあります。また、ZEH住宅においても補助金制度や税制優遇など活用することで、コストを抑えられる場合もあります。